2012年11月28日水曜日

本当は意味がない「健康診断」②

今朝の札幌は快晴!!!

昨日のあの嵐はなんだったのか・・・と思うくらいの良い天気です。



妻の実家のある室蘭とお隣の登別では、停電で大変な事になっていますが、早く全面復旧になる事を願ってます。


大嵐の様子(事務所の窓から)





前回の続きから・・・


健診が抱える大きな問題点として・・・

東海大学医学部の大櫛陽一名誉教授は、日本の健診や人間ドックの基準は、年齢はおろか性別も分けていない項目が大半である事をあげています。

確かに、私もいつも感じる事ですが、20歳の活力ある男性と、80歳のおばあちゃんが同じ基準で判断されるのは、いかがなものでしょうか?


≪血圧≫


慶應義塾大学の近藤誠名誉教授の著書「成人病の真実」の中にもありましたが、検査基準が引き下げられても、ガイドラインには科学的根拠が無く、何故下げられたのかを質問しても回答無し。

例えば血圧!

20年前:収縮期180以上、拡張期100以上が治療の対象
現在  :収縮期130以上、拡張期85以上がメタボ健診では異常

これは、年齢も性別も関係無く、一律に当てはめられてしまいます。



そもそも、年齢と共に血圧も徐々に上昇していくのは自然な事で、その方が健康で長生きすると言われていますが、この基準によって降圧剤が乱用されています。




2000年に日本高血圧学会が高血圧の基準値を収縮期140未満、拡張期90未満に引き下げた結果、それまで高血圧でなかった方々2100万人が治療の対象となったそうです。

引き下げ前の160/95の基準で治療対象となっていた方1600万人と合わせて、当時3700万人の方々が高血圧の治療を受ける事となりました。


確かに高血圧症は脳卒中のリスクを高めますが、脳卒中のリスクは高血圧ではなく、降圧剤の副作用という研究結果もあるようです。




また、御存じメタボ健診!!!

≪ウエスト≫
男性85cm以下、女性90cm以下が厚生労働省が定める基準値で、男性が女性よりも厳しい基準になっています。

ちなみに、アメリカでは、男性102cm以下、女性89cm以下が基準値の様です。

どう考えても、男性が女性よりも厳しい基準はおかしいと感じますが、これは測定方法に問題がある様です。



≪コレステロール≫
日本の人間ドック協会が示している基準では、LDL120以上、中性脂肪150以上が治療の対象です。

欧米の基準では、LDL190以上、中性脂肪1000以上が治療の基準となっている様です。


以前、日経新聞に、コレステロールに関して専門家の間で論争が起きているという記事が掲載されていました。

今までの日本の治療の目安として「日本動脈硬化学会」のデータが活用されていましたが、「日本脂質栄養学会」から2010年9月に日本動脈硬化学会の内容をほぼ全否定する研究結果が発表されました。

この研究内容は、26000人を8年間追跡した中性脂肪が100以下の集団で、肺炎やガンでの死亡率が増えて、死亡率が大きく上昇したそうです。

女性では、高い値でも総死亡率は上昇しなかった様です。


高いのは問題ですが、低いのも問題なんです。



色々な方とお話をしていて思う事ですが、検査の数値は低ければ低いほど良い・・・と誤解している方が少なくありません。

コレステロールは、血管や細胞膜の原料でもあるので、これが低すぎると血管が傷みやすくなったり、新陳代謝への影響が出たりします。

また、コレステロールの薬で正常値以下になると発ガンリスクが急上昇するデータもあります。




問題は、コレステロールが高いからと言ってすぐに薬で下げる必要があるかどうか?です!

高いと言うだけで病気とは言えません。

高血圧や高血糖、喫煙や飲酒、睡眠不足などの生活習慣などが複雑に絡み合って脳卒中やガンなどのリスクが高くなります。



また、一度狭心症などを患った方がLDLが高い状態を放って置くのは問題かもしれませんが、他に異常がなけ検査で一度超えたからといってすぐにお薬を飲むのも問題だと思います。


まずは、自身の生活習慣を改善することが第一だと思います。

コレステロールも逆流性食道炎も、食事を変えれば簡単に改善することができる症状です。




コレステロールも血圧も加齢に伴って上昇するのが自然なので、高くなったからといって治療をする前に、まずは生活習慣の見直しを行う事から始めてみてはいかがでしょうか?


続く・・・

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